このままずっと

歯のことを書いてて思い出したんですけど、自分が子供のころ、うちはけっこう歯みがきにうるさい家庭で、寝る前にいつも父親が「歯は!?」って言うんです。(歯をみがいたのかお前は!子供め!)という意味です。父親はそういうときいつも怒ってるみたいな感じで言うんですよ。ほんとは怒ってないんだけどなんか怒ってるみたいな口調で言う。それで、自分はその口調が気に入らないので「みがいた!」とか「みがいてない!」とか同じような口調で返していました。

ある日、奇跡的にすごくきれいに歯をみがけたことがあって、なんか歯もきゅっきゅするしすげえとか思って、自分なりにとても満足していました。それなのに、また父親が「歯は!?」って言うので、自分は(こんなにちゃんとみがけてるのに!もう許さん!)と憤慨しました。それで、自分はくやしくて泣きながらもう一回歯をみがきはじめました。でも、子供心に、ここでふつうにみがいちゃだめだと思った。それじゃ父親に負けたことになる。だから、このままずっと一生歯をみがき続けてやろう。

上をみがいて下をみがいて前歯をみがいて奥歯をみがいてくりかえしてなんかローリングさせたりさせなかったり歯みがき粉をつけたりつけなかったり足がつかれてきて洗面所で立ったり座ったり泣いたり怒ったり。ありとあらゆる歯みがきの限りを尽くしました。それでもやっと午前2時。そしたら母親が洗面所に来て、「わかったからもう寝なさい」と言うので自分も「うん」とか言って寝ました。歯ぐきが痛かったけど口の中がすっきりしてた。振り返ってみるとそのころからあんまり歯みがきのことを口うるさく言われなくなったような気がします。関係ないかもしれないけど。