アラスカ日記7

どうやら道はまだ続いているようです。道行く人がこの先にスーパーマーケットがあると教えてくれたので、もう3日くらいスーパーマーケットを探しているのですがまだみつかりません。それから、おじいさんは最近元気がありません。おじいさんは恋愛をしたいらしいです。毎日のように、今日こそは新メンバー合流やもと言っているので自分もそんな気がしてきました。

おじいさんがいつものように急に走り出したので、自分も後を追うと、そこには1匹の犬がいました。犬はやせていて野良犬のように見えましたが、おじいさんは首輪の跡があると言うので、もしかしたら捨て犬かもしれません。犬はワンと1回鳴きました。そしてまた歩き出しました。

おじいさんは歩きながら語り始めました。自分は日本でだらだらと老後を送っていて、毎日なんとなく物足りなかった。若い頃のような情熱もないし、新しい何かをやるにはもう遅いんじゃないかと思っていた。そんな時、この旅のことを知り、これが最後のチャンスだと思って応募してきた。絶対に好きな人(人かどうかは曖昧にしていました)と一緒に帰りたい。犬も最初のうちはわかるわかると話を聞いていたのですが、あまりに話が長いので最後のほうはちょっと引き気味でした。その日の犬の日記には、いい人だと思うけど恋愛対象にはならないと書いてありました。当のおじいさんは就寝前の筋トレを日課にすると言って頑張っています。自分は横になって犬に捧げるポエムを考えていました。