アラスカ日記3

アラスカに着いたものの、現在地が地図のどの辺りだかわかりませんでした。考えていても仕方がないので、とりあえず太陽に向かって歩くことにしました。アラスカはとても広く、1日歩いたくらいでは端に着かないそうです。そもそも端があるかどうかも怪しいとおじいさんが神妙な顔で言うので自分は少し恐くなりましたが、それでも歩くのをやめる気はありませんでした。立ち止まっていたら余計怖くなりそうな気がしたからです。

2時間ほど歩いたところでお腹が空いてきました。太陽もちょうど真上にあり、どこに向かえばいいのかわからなくなっていたのでひと休みしてお昼を食べることにしました。自分は食料になると思って持ってきた米俵がやっと役に立つので少し嬉しくなりました。するとおじいさんはそのままでは食べられないよと言いました。自分はそんなはずはないと思って少し食べてみましたが、おじいさんの言うとおり米俵はわらの味しかしません。試しに裏側も食べてみましたが結果は同じでした。自分があまりにもがっかりしていたので、それを見かねたおじいさんがこうやって食べるんだと言って米俵をバリバリと引き裂きました。すると中から白いお米がたくさん出てきました。自分は心底驚きました。あの大きな米俵の中身が全部お米だったなんて誰が想像できたでしょう。自分とおじいさんは喜んでお米を食べ始めました。その味は日本で食べるお米より少しだけおいしい気がしました。