吉田自転車を読んだ

前に一回読んだのだが、ドロキアのロクさん(id:roku666さん)(勝手に略してすいません)(しかもかっこよく)が紹介してたのを思い出して立ち読みしてみた。しかし一回読んだというのは間違いだったかもしれない。初めて読むかのように、にやにやをかみ殺しながら興奮して読んだ。普通の人は、まあ、にやにやすることはあるだろうがとりわけ興奮する類の本ではない。自分が何故興奮したかというと自分の地元の話がやたらと多く登場するからだ。地球屋という蕎麦屋も行ったことがあるし、調布駅前の描写も手に取るようにわかる。しかも自分の田舎は山梨だ(吉田氏は山梨に別荘を持っているという記述がある)。自分は地図の読めない人間であり、風景描写は斜め読みするような読み手であるため、このような体験はとても貴重であった。「他の人間たちはこんな思いを日常的にしているのか」と少なからず苛立ちを覚えた程だ。また、常日頃から「自分はまだつぼみ。花が咲くのは四十代になってから」と思っているので、吉田氏の活躍は自分の将来を見るようであって楽しい。あのようになりたいものだ。

最近、本を読んでいなかったので久々に読んだ本に影響を受けて文体が変わってしまった。「俺」という一人称がとても格好良く感じる。買わずに本屋を出てしまったのを後悔し始めたので、これからさっきの店にもう一度行く予定だ。


吉田自転車 (講談社文庫)

吉田自転車 (講談社文庫)