おしっこトレーニング

甥っ子がおしっこトレーニングをしています。はいているのはもちろんトレーニングパンツです。トレーニングパンツは、おしっこをしたら気持ち悪くなるように頭のいい人たちによってがんばって設計されており、トレーニングパンツ工場の製造過程で清潔な作業服を着た工員たちが透明な汗を流して一生懸命作っているので、トレーニングパンツはおしっこトレーニングに最適なパンツだと言えます。

今日、実家に行って甥っ子に会ったらやっぱりトレーニングパンツをはいていました。おしっこトレーニングに最適なトレーニングパンツをはいている甥っ子はいつもと少し違いどこか誇らしげで、おしっこトレーニングに最適なスタイルでした。甥っ子は最適なスタイルで自分とじいじ(自分の父親)がご飯を食べたりビールを飲んだりしている周りをうろうろしていました。その様子を察するに、どうも昨日はおしっこをしたのにそのまま我慢してトレーニングパンツをはきつづけたということがわかりました。じいじはそれを思い出して「まさか今日はおしっこしてないじゃろうな」と少し強い口調で甥っ子に言いました。甥っ子は恥ずかしそうに「したよ」と言いました。じいじが「じゃあ、ばあば(自分の母親)に報告せんといかんじゃろうが!」と怒ると、甥っ子はばあばのところに走っていって足にしがみついて「おしっこでた!」と報告しました。2階の妹にも「おしっこでた!」と報告にいきました。

それからまあ、いろいろあってご飯も食べ終わり「そうだトレーニングパンツをはきかえないと」とばあばがトレーニングパンツを脱がせようとすると甥っ子はいやがりました。いやがる甥っ子の隙をついてトレーニングパンツを脱がせるとトレーニングパンツは濡れていませんでした。ばあばが甥っ子に「おしっこしてないの?」と訊くと甥っ子は「してない!」と言いました。みんなで「あっはっは!」と笑いました。


これでこの話は終わりです。自分はこの話に大変共感しました。まず、自分もトレーニングパンツをはいてみたいということです。トレーニングパンツをはいたまま仕事をして我慢できずにおしっこをしてしまい気持ち悪くなってみたいと強く思います。そしていちばん強く共感したのが、甥っ子がおしっこをしていないにも関わらず、じいじに強く言われておしっこをしたと言ってしまう場面です。おしっこをしたと言うことが結果的に怒られる要因になるのですが、そんなのおかまいなしでじいじの強い口調に反応して即座に自分の非を認めてしまう。これには共感せざるを得ません。28歳の自分だって、強い口調で「おしっこしただろう!」と言われたら「おしっこしました!」と言ってしまうに違いないし、さらにその後「いまの時間はちょうどしていい時間だと思いました」とか言い訳をしてしまう気がします。おしっこトレーニングは心のトレーニングなのです。